エイロマンティック。 無性愛

ロマンティックラブコメディ 「グッバイ・チャーリー」

エイロマンティック

もくじ• 誰に対しても恋愛感情を抱かない恋愛的指向のこと、アロマンティック。 さてみなさん、この世は愛であふれています。 話題の新曲も、大ヒットしたドラマも、中高生のおしゃべりの内容も、惚れた腫れたの恋バナです。 結婚や愛するパートナーさんがいることを絶賛しているのが現代社会という魔窟。 そんなご時世に誰に対しても全く恋愛感情を抱かない人の生きづらさといったらありません。 人でなしのごとく非難されます。 「あなたは本当に愛せる人と出会っていないだけ」「もしかしてご家族から虐待を受けて愛する心を失ってしまったの…?」「人を愛することができないなんて、人として未熟なんだね」あらあらまぁまぁ、酷い言われようです。 今回のしのごのでは、ご自身がアロマンティックでも、大切なあの人がアロマンティックでもそのアイデンティティを尊重して接するために正しい知識を身につけましょう。 エイロマンティック(Aromantic):誰に対しても恋愛感情をいだかないこと。 アロマンティックと表記されることもある。 対義語はロマンティック(romantic)。 (引用元:ウィキペディア|) よく聞く「アセクシュアル」「アセクシャル」「Aセク」と、「アロマンティック」「Aロマ」の違いは、性行為をしたい気持ちの有無なのか、恋愛感情の有無なのかという違いです。 アセクシュアルにしろ、アロマンティックにしろ、これらの言葉は全て人の特性を表現するためのラベリングワードです。 自分とはどういう人なのか、というアイデンティティを表す属性はたくさんあります。 国籍、性別、職業、性的指向、恋愛感情、家族など。 人の命をいただく際に、自分の身元をしっかり名乗って戦うのが礼儀とされていたのですね。 それほど大切な出自、身元、自分とは?というアイデンティティのうち、性欲のなさを表現した言葉が「アセクシュアル」です。 アセクシャル、Aセクも同じ意味です。 アロマンティックは、誰かに対して恋愛的な感情を抱かないこと。 ロマンティックは、誰かに対して恋愛的な感情を抱くこと。 一方で、 アセクシュアルは、誰かに対して性的接触をしたいという気持ちがない、もしくはほぼないこと。 おもしろいことに、 アセクシュアルの対義語ってないんですね。 食欲・性欲・睡眠欲が人間の3大欲求とされているくらい、誰かに対する性的欲求は当たり前のこととされています。 だからこそ、「誰かに対して性的接触をしたい人」を表す特別な言葉は存在しない。 これから新しい言葉が生まれるかもしれません。 時代の変化が楽しみです。 アロマンティックさんはとってもマイノリティ。 なかなか周囲の人から理解してもらえないし、「あるある!」を共感しあえる相手と出会うのが難しい。 そんなアロマンティックさんならではの悩みはどんなものがあるのか調べてみました。 生きている人間のアイドルは愛せたり、ゲームやアニメのキャラクターを推す(ひいきにして特別に愛すること)ことはできる…なのに現実で出会う人と恋に落ちることがない!いやいや推しを全力で愛してるし課金もしてるから実質的に彼・彼女を支えてるのはわたし!…とは言っても人としてこれでいいのか疑問に思って、たまに合コンに出かけてみたり、好意を寄せてくれた人との可能性を考えてみたり。 こんな悩みのループに陥っているアロマンティックさんの多いこと、多いこと。 そんな不安や悩みを、アイデンティティのカテゴライズでスッキリ整理できるならそれでいいと思います。 例えば、あなたはロマンティックでそのアイドルやキャラクターを愛しています。 だから他の人に目移りしないんです。 もしくは、あなたはアロマンティックだから恋愛感情を持って人と接するタイプではないのです。 アイドルやキャラクターは「推し」ですが、身近な人と友情や親愛の情は築けても、恋愛感情は不要なのです。 このようにあなたの状況に一番適した言葉を見つけて使ってあげたら生まれた言葉も本望です。 大切なのはあなたが日々健やかに生きていくこと。 「なーんだ。 アロマンティックだから人を好きにならなかったんだ〜」と肩の力が抜けたらいいですね。 好みのタイプの人と性的接触を持ちたい。 でも恋愛感情はない!…これってセックス依存症?それともただのダメ人間!?…そんな切実なハラハラを抱えているのがアロマンティックでセクシュアルな欲求がある人たち。 これは悩みますよね。 まず自分の状態を正確に認識できるまでに時間がかかるでしょう。 そして自覚してからさらに悩むはずです。 セックスだけしたいなんて良くないことなのでは…と。 大丈夫、人を愛することがない自分について悩むのは誠実な証拠です。 相手のことを思いやっているからこそ。 そして同じくらいきちんと自分と向き合っている姿勢が素晴らしいです。 ようやく社会が人の多様性に追いついてきました。 恋愛感情を持たないアロマンティックさんたちが、性欲はあることもあるとわかってきたのです。 それは一人で行う自慰行為かもしれないし、人と交わるセックスかもしれません。 どちらにせよ、 アロマンティックで性欲があることはありえます。 心の動きと体の働きは別なのですから。 「そっか〜、自分はアロマンティック・性欲ありタイプなんだ〜。 性欲ありってなんだよ〜カッコいい言葉つけておいてよ〜」と笑ってやってください。 ただし、セックスしないと不安で仕方ないなどの自覚症状がある場合はどこか体の働きがうまく行っていない可能性があるので医師による診察をお勧めします。 ご自身に恋愛感情のないアロマンティックさんといえども、人から好かれるのは制御しきれません。 そして、人から好かれてしまったときの自分の心の動きにも戸惑うことが多いのがアロマンティックさんなのです。 人から好かれてうれしい場合 「自分はアロマンティックなのに、好きって言ってもらえるとうれしい。 これって本当はアロマンティックじゃないってこと?」 ご心配なく。 あなたは立派なアロマンティックです。 あなた自身に恋愛感情がわかないことと、人から好意を寄せていただいて嬉しく思う気持ちは全く別です。 だからこそあなたはうれしくても恋愛感情がわかないのです。 うれしいだけ。 ケーキをプレゼントしてもらってもうれしいですよね?そしてケーキをもらったからと言って恋愛感情はわきませんね?それと同じことです。 人から好かれて気持ち悪い場合 「自分はアロマンティックだから、好きって言ってもらえると気持ち悪く感じる…。 これって冷たい人間なのかな…」 いえいえ、好きでもない人から好かれたら気持ち悪く思うものです。 もっといえば、相手の恋愛感情を理解できないアロマンティックさんにとって、未知の欲求を「好き」という言葉でぶつけられたのですから無理もありません。 性というものがわからない子どものころに、成人した男性または女性が性的興奮をしながら迫られたら誰しも気持ち感じて当然。 それと同じことです。 アロマンティックとして恋愛感情のないタイプだと自覚してスッキリ…と思いきや、次にやってくるのは 「どうして?」という疑問です。 自分自身でも疑問に思うでしょうし、人からも聞かれるでしょう。 好意を寄せてくれる人から 「どうして恋愛感情が持てないの?過去に何かあったの?わたしだからダメなの?」、と。 もしくは親から 「どうして人を愛することができないの?育て方を間違えたの?」…大切な人から刺さるような疑問をぶつけられたらとても苦しいですね。 少なくとも2019年において、アロマンティックは「病気」ではありませんし、「症状」でもありません。 人としての「特徴」です。 恋愛の傾向という意味ではLGBTと並ぶところがあります。 レズビアンさんやゲイさんたちが病院でお医者さんに診断されて「あなたはレズビアンです」という名前をもらわないように、 アロマンティックさんも誰かの診断は不要です。 あくまで恋愛感情についてのアイデンティティの問題なので、自分が自分らしく生きるために堂々としていてください。 そして、原因についてご自身でルーツを探すのはもっともですが、もしアロマンティックさんと出会ったときに 「原因は?」「どうして?」「治らないの?」といった異常なもの扱いは控えましょう。 単純に失礼です。 原因はあったりなかったりします。 デリケートな内容になる可能性もあります。 アロマンティックさんとしての診断は不要ですし、原因よりも今アロマンティックとして幸せに生きていることを尊重しましょう。 だんだんとアロマンティックさんへの理解が深まってきました。 誰にも恋愛感情を持たないアロマンティックさんがいる、そうわかってもらえただけでうれしいです。 人間性の欠如でもなく、病気でもない、原因なんて追求するものではない、単に恋愛感情を持たないアロマンティックさんたち。 そんなアロマンティックさんとどう接して行けばいいのでしょうか?ご自身がアロマンティックさんだった場合と大切な人がアロマンティックさんだった場合に分けてお伝えします。 恋愛脳のマジョリティの中で、恋愛感情がないことについて生きづらいことが多かったことでしょう。 恋愛感情がわかないことについてご自身を責めたり疑ったりすることもあったでしょう。 しかし あなたは恋愛感情がないという個性を持ったひとりの人です。 生きとし生ける全ての人が尊い命であるように、あなたもまたかけがえのない人。 もっと冷静なあなたにはこう言いましょう。 「恋愛感情がないだけのただの人です。 特別なことは何もありません」と。 マイノリティの生きづらさを助長しているのが、自他ともにある特別意識です。 あなたがアロマンティックであることは、それだけではなんのドラマチックな出来事ではありません。 他の数あるアイデンティティと同じくひとつの個性です。 ひとりの人として、あなたは他の人と同じように素晴らしい。 しかし アロマンティックであることは特別なことではない。 あなたの人間性や人生の目標や幸せを脅かす特性ではないのです。 あなたらしさはアロマンティック属性だけではないはず。 そんな視点でシャンと前を向いて生きていってください。 さあ困りましたね。 この場合あなたはおそらく恋愛感情を持っているロマンティックさんで、大切な相手がアロマンティックさんなのでしょう。 理解ができないのです。 理解しあえないことがこの世にはあるという現実を突きつけられました。 そのアロマンティックさんがご家族やお友達の場合、その方のアロマンティックっぷりも含めて敬意を持って接してください。 幸せの形は恋愛成就だけではありません。 そのアロマンティックさんは恋愛感情を必要としないのです。 アロマンティックは病気ではありません。 個性です。 これまで通り、友達として、家族として接してください。 …もしもあなたがそのアロマンティックさんに恋をしている場合。 ゲイさんに恋してしまった女性も、レズビアンさんに恋してしまった男性も同じです。 相手のセクシュアリティを尊重しましょう。 絶対にしてはいけないのは、相手のセクシュアリティを否定すること。 自分に恋をしてくれない宣言をしていることに傷ついてしまって当然です。 それは単なるミスマッチです。 あなたもアロマンティックさんも相変わらず人として素晴らしいままですからご安心ください。 アロマンティックはその人口から見るととてもマイノリティで共感されにくい特徴です。 によると、アロマンティック・アセクシュアルである確率は 0. ただ、アロマンティックであることは異常なことでも特別なことでもありません。 数ある個性のうちのひとつです。 セクシュアリティのアイデンティティに重きを置かず、人生全体の楽しみやよろこびに目を向けていってください。 もしもアロマンティックさん仲間を探したい場合はコミュニティがあるので覗いてみてください。 あなたが一人ではないと実感するでしょう。 【参考リンク】 アロマンティックが集うコミュニティ ・(日本語サイト) Aceとは『性的対象がいないアセクシャル』、『恋愛対象がいないアロマンティック』の総称で、Aceを知る、広める、つながるをテーマにしたコミュニティ情報交換サイトです。 ・(英語サイト) 「無性愛の認知と教育ネットワーク」。 アセクシュアルに関する情報が記載され、登録ユーザーは80,000人にいます。 それでは今回の「しのごのうるさい笑」はここまで。 次回もお楽しみに。

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アセクシュアル(無性愛)とは?ノンセクシュアル(非性愛)との違いも解説!

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「誰を愛するか」という観点から考えたとき、最近では少しずつ映画やドラマなどの物語での"愛"の描かれ方は多様になってきたように感じます。 これまでの物語はその多くが異性愛の男女によるもの。 しかし、少しずつ同性愛をテーマにした物語も増え、その恋愛に主題が置かれていなかったとしても、同性愛のキャラクターが登場する物語も増えてきました。 さらに海外の映画やドラマなどには顕著ですが、もはや「同性愛者であること」ということは1つの情報として捉えられるだけ、という場合もあるほどです。 これまで"ないもの"にされてきた人々の存在が、物語においても少しずつ可視化されてきたと言えるのだと思います。 しかし、そんな少しずつ多様性が広まってきた物語の中でも、まだまだ「想定されていない」と感じるセクシュアリティが多くあるのも事実。 その1つが、そもそも恋愛をしないAロマンティック(アロマンティック、エイロマンティック)というセクシュアリティです。 「恋愛をすることは当たり前」という社会の前提の中で、"ないこと"にされてしまっているアセクシュアル。 恋愛をテーマにした映画やドラマではなかったとしても、多くの物語で登場人物は当たり前のように恋愛感情を抱きます。 今回は、そんな「自分はまだまだ想定されていないんだ」と感じて生きてきた人物のエピソードをご紹介します。 異性愛があまりにも当たり前の社会で「誰を愛するかはその人自身が決めること」という発信は未だ重要なものですが、しかしその多様性の中ですら、しばし"ないこと"にされてしまうのが「そもそも恋愛感情を持たない」セクシュアリティのあり方、Aロマンティック。 Aロマンティックの"A"は、非・無を意味する英語の接頭辞。 つまり、ロマンティックな感情を持たない人、もしくはほとんど持たない人という意味です。 この"A"を使ったセクシュアリティの名称としては、他にもAセクシュアル(アセクシュアル、エイセクシュアル)というものもあります。 Aセクシュアルは、性的欲求や恋愛感情を持たない人をさす言葉とされていますが、その中でも特に恋愛感情のみ持たない人のことをAロマンティックというのです。 他にも、日本語独自の表現としてノンセクシュアル(性的欲求のみ持たない人)という言葉が使われる場合があります。 「恋愛をしない」というセクシュアリティが存在することは知らない人はまだまだ多く、「恋愛に興味がない」というと、未熟さや幼さ、もしくは"モテない=劣っている"というレッテルを貼られてしまうこともあります。 また、Aロマンティックの人もパートナーと交際することはありますが、付き合うことに関しても恋愛というプロセスは必須であるという前提はあまりに当たり前で、普段は意識すらしない人も多いかもしれません。 だからこそ、今回の漫画の主人公のようにコミュニケーションがうまくいかずにすれ違ってしまうこともあるようです。 映画やドラマを見ていても、当たり前のように登場人物は恋愛感情を持つことが前提されていると感じることが多いです。 恋愛映画ではなく、たとえばアクション映画やSF映画などでも、登場人物が困難を乗り越えた末に結ばれるなどのストーリーは多いですよね。 しばしば、恋愛に興味のない人がキャラクターとして登場する場合もありますが、その多くが過去に暗い経験があったり、今は別のことに集中したいから恋愛はしない、というものだったり。 そこには「通常であれば恋愛はするもの」という価値観を感じ取ることができます。 冒頭でも述べましたが、その相手が異性であるか同性であるか、という点での多様性は少しずつ広がっているとはいえ、「恋愛はするもの」という前提自体はまだまだ強固なものなのです。 「異性と恋愛する人ばかりじゃない」ということが知られるのと同じくらい、「恋愛をしない人もいる。 そこには理由はない。 ただそういうセクシュアリティだから」ということも当たり前に認識される社会にしていきたい。 あらためてそう感じさせられるエピソードでした。 (漫画:ケイカ、編集後記:).

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恋愛的指向

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LGBTという言葉を今では高頻度で使うようになりましたが、皆さんはLGBT以外のセクシュアルマイノリティについてご存知ですか? 例えば、「 アセクシュアル」「 Xジェンダー」「 ノンセクシュアル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ここでは アセクシャルの意味についてご説明します。 アセクシュアル 無性愛)とは? はてなキーワードでは、アセクシュアル(無性愛)を以下のように定義しています。 アセクシュアル(無性愛《むせいあい》とも)とは、『他者に対して恒常的に恋愛感情や性的欲求を抱かない』ことである。 無性愛の性質を持っている人のことを無性愛者、またはエイセクシュアル、ア・セクシュアル、Aセクシュアルともいう。 略称として「Aセク」を使うこともある。 アセクシュアルって診断されるもの? アセクシュアルは個人が自認しているセクシュアリティなので、基本的に他人が診断できるものではありません。 個人が恋愛感情や性的欲求を抱いているかどうかなんて本人にしかわからないし、もしかしたら一生確証が持てないセクシュアリティでもあります。 だから、あなたがアセクシュアルであるということを他の誰かが診断することなんてできないし、診断してもらう必要はありません。 「自分はアセクシュアルだ」と思うならあなたはアセクシュアルです。 他の人がなんと言おうと、あなたのセクシュアリティはあなたのもの。 外部からの診断なんて必要ありません。 アセクシュアル(無性愛)とノンセクシュアル(非性愛)の違い アセクシュアルとよく混同される言葉として、ノンセクシュアルというものがあります。 ノンセクシュアル(非性愛)は以下のように定義されています。 非性愛(ひせいあい)とは、他者に対しての恋愛感情は有り得たとしても、恒久的に他人への性的欲求を持たないことをいう。 非性愛の性質を持っている人のことを非性愛者、またはノンセクシュアルという。 略称としてノンセクともいう。 一方、ノンセクシュアルは「 他者に性的な欲求を抱かない」ことであって、 恋愛感情は抱きます。 つまり、アセクシュアルとノンセクシュアルの共通点は 「他者に性的欲求を抱かない」ことであり、異なる点は「他者に恋愛感情を抱くかどうか」です。 「他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない」という場合はアセクシュアルで、「他者に恋愛感情は抱くけれど、性的欲求は抱かない」という場合はノンセクシュアルになります。 アセクシュアルが受けやすい誤解 アセクシュアル当事者の方から「 アセクシュアルだとカミングアウトをすると、『冷たい人だ』と思われてしまうことがある」と聞いたことがあります。 Youtubeなどでもアセクシュアルの方がお話しているのを観ましたが、その方々も同じ悩みを抱えていました。 「アセクシュアルだから冷たい人だ」というのは大きな間違いです。 アセクシュアルの方は恋愛感情や性的欲求は抱きませんが、 友情も愛情も抱きます。 愛情=恋愛感情と思われる方もいるかもしれませんが、 恋愛感情だけが愛情というわけではありません。 例えば、家族愛なども愛情です。 友情も、一種の愛情と言えるのではないでしょうか。 私はこれまで数人アセクシュアル当事者の方にお会いしましたが、私がお会いした方々は皆さん親切で、とても冷たい人とは思えませんでした。 逆に、恋愛感情があっても冷たい人はいますよね。 恋愛感情を抱くか否かとその人自身が冷たいかどうかは別の話なのです。 性的指向の種類 日本ではまだLGBTという言葉自体浸透しきっておらず、性的指向の意味もあまり広く知られていませんが、海外では性的指向の種類がさらに細分化されて認識されている国もあります。 性的指向のことを英訳すると「Sexual Orientation」になります。 ですが、英語での「Sexual Orientation」は本来、性的欲求の指向を意味します。 英語圏では「Sexual Orientation」の他に「Romantic Orientation」という言葉もあり、これは恋愛感情の指向を指す言葉です。 日本では「Sexual Orientation」を「性的指向」と訳しており、性的指向の中に恋愛感情も性的欲求も含んでしまっている部分があるので分かりづらいですが、性的欲求と恋愛感情は別物なのです。 また、視覚的に「綺麗だな」とか「素敵だな」と思う感情も、性的欲求や恋愛感情とは別物です。 だから、アセクシュアルの人だって誰かを「可愛いな」とか「カッコイイな」と思うことはあるわけです。 ストレートの人だって同性・異性を問わず誰かを「可愛い」とか「カッコイイ」とか思いますが、その人と付き合いたいかというと、 必ずしもそうではないですよね。 テレビでタレントさんを観て 「イケメンだな」「可愛いな」と思っても、「付き合いたいかというと、またそれは別のハナシ」ってこと、結構あると思います。 女の子同士で「〇〇ちゃんはどの男子が好きなの?」とか、「彼氏いないの?」とか。 逆に男の子同士で「お前はどの娘が好きなの?」、「彼女いるの?」とか。 そして「好きな子とデートに行く」、「好きな子と手を繋いだ」みたいな話題で盛り上がったりします。 そして、アセクシュアルやノンセクシュアルに限らず、「恋人がいない人」に対して「早く相手見つけなよ!」とか、「いつかいい人が現れるよ!」のような言葉が投げかけられることがしばしばあります。 これらの言葉は悪意を持って発せられたものではないと思いますが、 アセクシュアルの方にとっては辛い台詞である場合があります。 「誰かに恋愛感情」を抱くことが前提で会話が進められてしまい、「恋愛感情がない」という状態が全く想定されないからです。 これは「異性愛が前提とされている場」のみならず「同性愛が前提とされている場」でも起こりうることです。 恋愛感情や性的欲求はなくてはならないもの? セクシュアルマイノリティに関する理解が十分でない今の日本では、「恋愛感情や性的欲求がなくてはならないもの」のように扱われる場合があります。 「若いうちに性交渉を経験するのが一種のステータス」みたいな空気感があり、ある程度の年齢で性交渉を行ったことのない男性がいると、周りがそれを面白おかしくイジる、なんて場面を私自身目にしたことがあります。 けれど本来、恋愛感情を抱くのも、性的欲求を抱くのも本人の自由であり、無理に誰かと付き合ったり、性交渉をする必要はありません。 むしろ、アセクシュアルやノンセクシュアルでない方も含め、 他者に誰かと付き合うことや性交渉をすることを強要する方が問題です。 私は、恋愛感情がコントロールできないように、恋愛感情を持たないという状態もまた、コントロールできないものなのだと思います。 だから、コントロールしようとしなくていいと思います。 他者への恋愛感情は「この人を好きになろう」と思って抱くものではないはずです。 「好きになっちゃったんだから仕方ない」なんて台詞をストレートの方からしばしば聞きますが、だったらアセクシュアルやノンセクシュアルの方に関して、「好きにならないのも仕方ない」って言っていいんじゃないかなと個人的には思います。 そしてこれは今恋愛感情を抱く相手がいないストレートの人についても言えることではないでしょうか。 そして、 恋愛感情や性的欲求がないことは悪いことではありません。 ストレートとして人生を送ってきて、中でも恋愛や出産などで強い幸せを感じてきた方が「あなたにも幸せになってほしい」という願いから恋愛すること勧める場合があるかと思いますが(同性愛者の方が恋愛を勧める場合もあるかもしれませんね)、自分にとっての幸せと他の人の幸せが同じであるとは限りません。 何を幸せに感じるかは人それぞれです。 だから、恋愛をしなくても、性交渉をしなくても、ちゃんと幸せになれる。 アセクシュアルでもノンセクシュアルでも他のセクシュアルマイノリティでも、セクシュアリティ以外のマイノリティ要素を持っていても、 誰もがみんな幸せになる可能性を持っています。 まだまだLGBTという言葉すら浸透しきっていない日本ですが、アセクシュアルやノンセクシュアルなど、「LGBT以外のセクシュアリティ」についてももっとよく知られる状況が訪れるといいなと心から思います。

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