ダンジョン だらけ の 異 世界 に 転生 した けど 僕 の 恩恵 が 最 難関 ダンジョン だっ た 件。 【書評】『研究棟の真夜中ごはん』 理系女子によるパラダイムシフト的お料理解説

ダンジョンだらけの異世界に転生したけど僕の恩恵が最難関ダンジョンだった件

ダンジョン だらけ の 異 世界 に 転生 した けど 僕 の 恩恵 が 最 難関 ダンジョン だっ た 件

「アイシクルランス」 氷の刃が飛び、目の前のモンスター達を串刺しにする。 「続いてファイアーピラー」 絶命したかどうかも解らなかったモンスター達だが、間髪入れずに放った火の魔法で火柱に囲まれて燃え尽きる。 「最後にウインド」 そして風で灰と残り火を巻き上げて消す。 「ふぅ……こんなもんかな?」 今全滅させたのはDランクモンスター。 アカデミーの学生達なら倒せなくはないのだがそれなりに数がいたので倒しておく。 無用な危険は侵さないのが今回の訓練だからだ。 僕は魔核を回収するとアイテムボックスへと収納した。 「タックとマリナさんもこの程度なら問題ないだろうし、もう少し外周を回ってみるかな?」 僕等はベースキャンプを中心にして三方向へと散った。 そして、そこから時計回りに巡回することで学生達の訓練を見て回っているのだ。 「こういう時は強い人材がいてよかったな」 この授業はある程度のモンスターを間引きできる実力者が何人かいるお陰で成り立っている。 僕はタックやマリナさんにルナさんと協力をお願いした。 何せ、アルカナダンジョンで実力が証明されているので、安心して任せられるからだ。 「少し森側も見ておくか、まさかとは思うけど山脈からドラゴンとか来ないとも限らないし」 モカ王国を真っすぐ西に向かうと森が広がっている。 そしてさらに西には光が差し込まない程の濃い森があり人間では到達できない領域となってる。 そこから先は遮るような山脈が北まで続いている。 この山脈の頂上はドラゴン種などの強力なモンスターが生息しているらしく、時折迷い込んだレッサードラゴンが人里に現れる事がある。 こうした行事でのドラゴンの襲来はお約束。 誰かがフラグを立てようものならレッドドラゴン辺りがベースキャンプに飛来する可能性もある。 なので、事前に確認をしておこうと考えるのだった。 「流石にこの辺はちょっと気配が違うかな……」 偵察ついでに森の付近まで来てみる。 ここまでくるとそこそこ強いモンスターの気配が漂ってくるので僕も警戒していた。 「少し上級訓練になるけど、今度はこの森手前にキャンプを用意してアカデミー上位50人ぐらいに絞って訓練とかありかも」 ここならCランクからBランク果てにはAランクぐらいのモンスターが出てくるだろう。 ダンジョンの中であれば罠や間合いに気を遣わなければ追い込まれるところだが、平原であれば人数も掛けられるし比較的安全に討伐できる。 強力なモンスターとの実戦を経験しておくことでパニックに陥る確率を減らすこともでき、ダンジョン本番での生存率も上がることだろう。 「とりあえず、今度もう一度下見にくるか……」 タックやマリナさんにルナさんを連れてくれば戦力は十分。 僕は偵察を終えて戻ろうとすると…………。 「ブルルルルッ!!」 「ん? なんだ?」 生き物の鳴き声がしたので僕はそちらへと向かってみる。 「あれは、レッサードラゴンと争ってるのは……馬?」 数匹のレッサードラゴンが黒馬に襲い掛っている。 レッサードラゴンは単体でもBランク相当のモンスターでそれが数匹となるとB+ぐらいだろうか? 黒馬はまだ子供なのか身体が小さく、このまま放っておけばやられてしまうだろう。 「ブルルッ! ブルッ!」 レッサードラゴンが牙と爪を振るい襲い掛かる。 ちょっとした金属ぐらいの硬度があるそれは確実に黒馬の身体を傷つけ血が流れる。 数に対応できずに追い詰められていく。 そんな黒馬を見ていた僕は…………。 「ツインスラッシュ!」 双剣を抜き放つと突進をした。 そして瞬きする間にその場のレッサードラゴンを斬り裂いて命を奪った。 「まあ、素材としてそこそこ優秀だし、イザベラさんもそろそろBランク解体したいって言ってたからな」 黒馬と戦うのに夢中でこちらを見ていなかったので楽に狩る事が出来た。 「さて、アイテムボックスにしまうか」 ザ・ワールドが無いとイブのサポートが受けられず不便だ。 僕は剣をしまうとぶつぶつ言いながらもレッサードラゴンの死骸を回収していく。 「ブルルッ!」 よろよろと立ち上がると警戒心を浮かび上がらせてこっちをみている黒馬。 「そのまま放っておくと他のモンスターにやられそうだな……」 僕はライフポーションを取り出すと黒馬に飲ませてやる。 「ブルルンッ!」 「わっ!」 すると、身体中から傷が消えた黒馬は警戒心を無くし、僕の身体に顔をこすり付けてきた。 「なんだ、結構人懐っこいやつなんだな」 僕はわりと動物が好きだ。 前世でも暇な時に動物の動画なんかも見ていた。 黒馬の毛並みが素晴らしく、いつの間にか撫でまわしていた。 「ブルルル」 黒馬も気持ちよさそうな声で鳴く。 「そういえば、そろそろ10ヶ月か……カイザーとキャロルが懐かしいな」 イブが解析に入ってからもう10ヶ月も経つ。 その間はカイザーもキャロルもザ・ワールドで面倒を見ているはずなので僕は動物との触れ合いが足りていなかった。 「そういえば、ロベルトとかも騎馬を持ってたよな?」 遠距離の移動は魔導車がメインなのだが、近場だったり草原などの魔導車が通るのに適していない場所は騎馬で移動する事が多い。 貴族の一部は乗馬などを嗜んでいるので、アカデミーにも厩舎が存在している。 カイザーやキャロルみたいな希少モンスターは大騒ぎになるので外で飼えないが、こいつなら飼ってもいいのではないだろうか? 「お前、僕と一緒に来るつもりは無いか?」 僕が聞くと黒馬は「ブルルルル」と返事をした。 そして……。 「乗せてくれるのか?」 頭を地面に下げ乗るように促した。 「馬具がないからバランスは悪いけど、思ってるより力があるな……」 僕はそれ程重いわけではないが、剣を身に着けている。 だが黒馬はしっかりと立ち上がってみせた。 「丁度いいからこのまま見回りに戻るとするか」 僕の言う事が解るのか示した方向へと進む。 僕は飛行でバランスをとりつつ黒馬に乗ったまま移動をするのだった。 誰一人死者を出すことが無かったのは、当人たちの実力もさることながら、見回りをした人間が危険なモンスターを事前に間引いたお陰だ。 「あとはエリクが戻ってくるだけなんだが……」 ロベルトが全員の点呼を終えてトリスタン先生に報告をしていると。 戻ってきた……」 遠目に映ったのか、ルナが平原の先を指差した。 「ん、あいつ何かに乗ってねえか?」 タックもその方向を見ると目を凝らして見せた。 「二人とも良く見えますね、私には見えませんよ」 ルナは魔力の形で判断し、タックは魔族なので身体能力が人間より高いから見る事ができた。 「どれどれ……」 メリダが遠くを見る【スコープ】で確認をすると頬を引きつらせる。 「どうかしましたか? メリダ先生」 引率のトリスタンがメリダに質問をするのだが、信じられない表情を浮かべて口をパクパクさせている。 「エリク様がまた何かされたんですか?」 アンジェリカの言葉にその場の全員に緊張が走る。 「お、おいっ! あれって……まさか……」 タックの表情が変わった。 どうやらメリダが驚いている原因が解ったらしい。 「ただいま戻りました。 近隣のモンスターの打ち漏らしも片付けて来たし、戻り遅れた学生もいないですよね?」 エリクはそれから降りるとトリスタンに確認をする。 「ああ、エリク。 それよりお前それ……」 皆を代表してトリスタンがエリクに聞く。 「こいつですか? レッサードラゴンに襲われていたところを助けたら懐かれてしまって。 折角だから飼おうかなと思って連れてきたんですよ」 周りの人間は「まじかよこいつ」みたいなこわばった顔でエリクを見た。 「そ、そのエリク君……その馬なんだけどね」 メリダも実物を見た事は無く、外れている可能性も考えていた。 だが、この場にはそれと遭遇したことがある人物が二人もいた。 トリスタンとタックだ。 「よーしよし、疲れただろ? 戻ったらレッサードラゴンの肉をやるからな」 楽しそうに黒馬とじゃれ合うエリク。 そんな光景を見せつけられながらタックが前にでると。 「エリク良く聞け!」 「ん。 どうしたのさタック?」 次の瞬間タックは言った。 「そいつはAランクモンスターのナイトメアだぞ。 魔国でもテイムできた人間がほとんどいない希少種だ」 「へっ?」 「「「「「「……………………」」」」」」 当人にとっても予想外だったのか、エリクを含む全員が黙り込む中……。 「流石エリク。 私達の斜め上を平然とやってのける……」 ルナの突っ込みだけが草原に広がるのだった。

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ダンジョンだらけの異世界に転生したけど僕の恩恵が最難関ダンジョンだった件

ダンジョン だらけ の 異 世界 に 転生 した けど 僕 の 恩恵 が 最 難関 ダンジョン だっ た 件

いつの時代も戦が絶えず起こっている。 ある者は剣を、ある者は魔法を、ある者は聖霊を。 あらゆる力を尽くして争いは絶える事なく続いていた。 そして、戦いは人同士だけでなくエルフや獣人、魔族をも巻き込んだ種族間戦争や国家間の争いへと発展し、闘いはすでに何百年も続いていた。 そんな時代に帝国の片田舎に最下級の身分である《平民》の次男として生まれたリクト。 次男である彼は成人しても耕す畑がない。 それを危惧した父親は幼い頃からリクトに代々伝わる剣術を叩き込んでいた。 そして成人後、リクトは食うために最下級の階級である《二等兵》として軍人となったが、軍人になってから2日後の初陣でいきなり危険な単独任務を押し付けられる。 それでも何とか乗り切って、ホッとしたのも束の間。 今度は帝都から美女が3人やって来て、実力を見せろと戦う羽目になる。 軍の権力と炎と雷がリクトに迫りくる。 そして、その後には美女達まで迫りくる。 父親譲りの剣術で斬り開いたその先にリクトが掴むものは栄光と……。 これは帝国の片田舎少年が最下級の身分《平民》と最下級の階級《二等兵》から父親譲りの剣術によって成り上がる物語である。 |N9732GC 【書籍2巻発売中!】 **** 王国城下街近くにある『代々勇者を輩出する』という特徴のある村。 主人公ライムントの姉ミアは、15歳の誕生日に勇者の能力に目覚めた。 「それじゃ、姉貴のいないうちは自分が村を守るよ」 そう言って姉を送り出し、自分は勇者の村を守ることとなった。 ある日ライムントは強い魔物に襲われ、死を覚悟する。 ところが、すんでの所で魔族の女が現れてその魔物の首を一瞬で斬り飛ばす。 次元の違う圧倒的すぎる戦闘能力。 警戒するライムントに対し、 「えっとえっと……困っている人がいたら、助けられる能力のある人が助けるのは当然ですよね?」 あまりに想定外な魔族の雰囲気に戸惑いながらも 「助けてもらってお礼もしないのは姉貴の弟として估券に関わります、帰るアテがないのなら、今晩ぐらい食事に来て身体を休めてください」 そう言って家に誘って食事を出した。 結果、ものすっごい懐かれた。 暴力に怯えながら暮らす毎日に疲れ果てた頃、アパートが土砂に飲み込まれ…。 目を覚ませばそこは日本ではなく剣や魔法が溢れる異世界で…!? 強面だけど優しいおじいさんに引き取られ、3兄弟は村の人や冒険者たちに見守られながらたくさんの愛情を受け成長していきます。 ツラいのは冒頭だけで、あとはのんびり・ほのぼのな日常を紡いでいけるお話を考えています。 魔法はありますが、この子たちにチート機能は必要ないので、多くても1つか2つの予定です。 |N3479GG 私は死んだ。 目覚めると乙女ゲーム「ローズガーデン」の世界で…?嘘でしょ!しかも、生まれ変わった先は、「不運・報われない・可哀相」と評判の、旧王家の姫君にしてヒロインのライバル、レミリア様ではないですか。 しかし、私はメインカプ推しなので。 出来れば王女と竜公子の恋を見守りたい!新旧王家の政争?関わらずに平穏無事に生きたい!たまにはドラゴンと空を散歩しながらのんびりとね。 「辞めよう悪役。 諦めよう初恋。 立て直そう実家」を合言葉に繰り広げられる、魔法とドラゴンのファンタジー。 シリアス展開有。 キャラが死んだりします。 【一迅社アイリスNEOより書籍版もあります/2020年は毎月15日と最終日にマスト更新です、あとは気が向いたら!】 |N6529DH 後に『終末の日』と呼ばれる四月のある日。 札幌市の上空に眩く光る飛翔体が出現し、平穏に過ごしていた人々の住む地上に降り注いだ。 偶然にも札幌駅を訪れていた一ノ瀬蓮夜は、混乱の中を命からがら地下シェルターに避難して窮地を逃れる。 屍怪は誰とも構わず生者を襲い、噛まれた者も同じように人を襲い始める。 狂気と混乱が入り乱れる混沌の中で確信する。 今まで自分たちが生きてきた世界は、終わってしまったのだと。 そして決意する。 屍怪を倒し生き抜くことを。 千年後の世界に転生したルディスはかつての記憶を受け継ぎ、これ幸いと冒険者を目指すが…… 転生した未来で、かつて仕えてくれた従魔達と会うことになる。 ルディスは表では普通の冒険者として振る舞うも、隠れながら従魔達と暮らすことを決意する。 これは元皇帝がかつての仲間、新たな仲間と共に、最強と平穏な生活を目指し、たまに世界を救う物語。 苦手な方はご注意ください。 |N1188FF サラリーマン生活を順風満帆に歩んでいた朝比奈晴人だったが、ある日、他人の自殺に巻き込まれてしまい、不運にも死んでしまう。 しかし、死後の世界で神様達と出会った結果、何故か神様が管理する『剣と魔法の世界』に美少年のエルフとして転生できることになった。 ただし、その世界を管理する神様をサポートする為の眷族として……。 神様の眷族として与えられたチートのような能力と、前世の知識と経験を駆使して、いずれ起きると言われる異世界の危機(という名目であるが、実のところは神様に課せられた昇神試験なのだが)に立ち向かうため、晴人は神様を支える部署として新設された神様サポート室の異世界出張所を任されることになる! |N1367FO 容姿が優れている以外普通で少々オタク寄りな趣味を持ち、かつて中二病を発症しかけたことのあるような何処にでもいそうな少年が異世界へ行き、少し使い勝手が悪くチートと呼ぶには至らない能力を元に冒険者としてのんびりと異世界生活を嫁達と一緒に満喫する予定のお話。 女神は過保護です。 本作は主人公主観というか、主人公が感じた事、思った事を書いていくという形をとりつつ、状況が分かるように、それでいて主人公が感じた事としておかしくならないように書いています。 その為、文体が一人称視点としてはおかしいと思う事があるかもしれませんが、そういう仕様だと思ってください。 初投稿、初作品故に上手く書けない事も多々あるでしょうが、作者のメンタルが弱いので、冷たい目ではなく温かい目で見てもらえると幸いです。 少しでも読者を増やしたいので。 |N9618CY VRMMO『Blessing of Lilia』、通称『リリア』。 何でもできるが売りのフルダイブVRMMOである『リリア』の世界は、何をやってもいいと勘違いしたプレイヤー達により世紀末と化していた。 強すぎるNPC、自由すぎるトッププレイヤー、いつの間にか滅んでいる隣街、魔法と現代兵器が飛び交う戦場……。 そんな混沌渦巻く世界の中で、可愛らしい狐娘さん 自称 の主人公 『ポロラ』は武器を振るう。 戦わなければ、尻尾をモフられてしまうことを知っているから。 殺さなければ何も守れないから。 力が無ければ涙を流すしかないから。 あわよくばトッププレイヤーを引きずり下ろしたいから……彼女は戦う事を選んだ。 しかし、彼女は気付かない。 既に『戦闘狂』という二つ名が付く程度には、自分自身も危険人物である事に……。 syosetu. 女神達の祝福を受け、子猫と共に最強になる」の続編となっております。 未読でも今作を読むに問題はありませんが、どうかこちらもよろしくお願いします。 |N5553FS 電車にひかれて死んだと思ったが、どうやら異世界に転生してしまった中年サラリーマン。 しかし普通のサラリーマンだった男にチート? 何それ美味しいの? 主人公を密かに気になっている子もいるみたいだが、喪男だったために、それに気が付かない馬鹿。 でも、最近自覚し始めたため、前向きに頑張ろうと思っている。 面白可笑しく自由気ままな行き当たりばったりの異世界生活を楽しむ。 自分が異世界に行ったとしたらどうなんだろうな、こうしたいなと想像しながら書いてみました。 基本的にのんびりと言うかダラダラとした作品になってます。 R15にしたのは、主人公同様行き当たりばったりで書いているので万が一の保険です。 攻略者を助けるなんて面倒い事するような性格でも無いし好きに生きてもいいですよね? 運が良いのか悪いのか好きな事出来そうな環境に産まれたようですしヒロイン役でも無いようですので。 流石に途中で気づきますし、相手役も出てきますが、しばらく出てこないと思います。 好きに生きた結果攻略者達の悲惨なフラグを折ったりするかも? 基本的に主人公は「攻略者の救済<自分が自由に生きる事」ですので薄情に見える事もあるかもしれません。 ですので本来の錬金術の学術的な論理は出てきません。 この世界での独自の力が【錬金術】となります。 |N9029EK.

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「アイシクルランス」 氷の刃が飛び、目の前のモンスター達を串刺しにする。 「続いてファイアーピラー」 絶命したかどうかも解らなかったモンスター達だが、間髪入れずに放った火の魔法で火柱に囲まれて燃え尽きる。 「最後にウインド」 そして風で灰と残り火を巻き上げて消す。 「ふぅ……こんなもんかな?」 今全滅させたのはDランクモンスター。 アカデミーの学生達なら倒せなくはないのだがそれなりに数がいたので倒しておく。 無用な危険は侵さないのが今回の訓練だからだ。 僕は魔核を回収するとアイテムボックスへと収納した。 「タックとマリナさんもこの程度なら問題ないだろうし、もう少し外周を回ってみるかな?」 僕等はベースキャンプを中心にして三方向へと散った。 そして、そこから時計回りに巡回することで学生達の訓練を見て回っているのだ。 「こういう時は強い人材がいてよかったな」 この授業はある程度のモンスターを間引きできる実力者が何人かいるお陰で成り立っている。 僕はタックやマリナさんにルナさんと協力をお願いした。 何せ、アルカナダンジョンで実力が証明されているので、安心して任せられるからだ。 「少し森側も見ておくか、まさかとは思うけど山脈からドラゴンとか来ないとも限らないし」 モカ王国を真っすぐ西に向かうと森が広がっている。 そしてさらに西には光が差し込まない程の濃い森があり人間では到達できない領域となってる。 そこから先は遮るような山脈が北まで続いている。 この山脈の頂上はドラゴン種などの強力なモンスターが生息しているらしく、時折迷い込んだレッサードラゴンが人里に現れる事がある。 こうした行事でのドラゴンの襲来はお約束。 誰かがフラグを立てようものならレッドドラゴン辺りがベースキャンプに飛来する可能性もある。 なので、事前に確認をしておこうと考えるのだった。 「流石にこの辺はちょっと気配が違うかな……」 偵察ついでに森の付近まで来てみる。 ここまでくるとそこそこ強いモンスターの気配が漂ってくるので僕も警戒していた。 「少し上級訓練になるけど、今度はこの森手前にキャンプを用意してアカデミー上位50人ぐらいに絞って訓練とかありかも」 ここならCランクからBランク果てにはAランクぐらいのモンスターが出てくるだろう。 ダンジョンの中であれば罠や間合いに気を遣わなければ追い込まれるところだが、平原であれば人数も掛けられるし比較的安全に討伐できる。 強力なモンスターとの実戦を経験しておくことでパニックに陥る確率を減らすこともでき、ダンジョン本番での生存率も上がることだろう。 「とりあえず、今度もう一度下見にくるか……」 タックやマリナさんにルナさんを連れてくれば戦力は十分。 僕は偵察を終えて戻ろうとすると…………。 「ブルルルルッ!!」 「ん? なんだ?」 生き物の鳴き声がしたので僕はそちらへと向かってみる。 「あれは、レッサードラゴンと争ってるのは……馬?」 数匹のレッサードラゴンが黒馬に襲い掛っている。 レッサードラゴンは単体でもBランク相当のモンスターでそれが数匹となるとB+ぐらいだろうか? 黒馬はまだ子供なのか身体が小さく、このまま放っておけばやられてしまうだろう。 「ブルルッ! ブルッ!」 レッサードラゴンが牙と爪を振るい襲い掛かる。 ちょっとした金属ぐらいの硬度があるそれは確実に黒馬の身体を傷つけ血が流れる。 数に対応できずに追い詰められていく。 そんな黒馬を見ていた僕は…………。 「ツインスラッシュ!」 双剣を抜き放つと突進をした。 そして瞬きする間にその場のレッサードラゴンを斬り裂いて命を奪った。 「まあ、素材としてそこそこ優秀だし、イザベラさんもそろそろBランク解体したいって言ってたからな」 黒馬と戦うのに夢中でこちらを見ていなかったので楽に狩る事が出来た。 「さて、アイテムボックスにしまうか」 ザ・ワールドが無いとイブのサポートが受けられず不便だ。 僕は剣をしまうとぶつぶつ言いながらもレッサードラゴンの死骸を回収していく。 「ブルルッ!」 よろよろと立ち上がると警戒心を浮かび上がらせてこっちをみている黒馬。 「そのまま放っておくと他のモンスターにやられそうだな……」 僕はライフポーションを取り出すと黒馬に飲ませてやる。 「ブルルンッ!」 「わっ!」 すると、身体中から傷が消えた黒馬は警戒心を無くし、僕の身体に顔をこすり付けてきた。 「なんだ、結構人懐っこいやつなんだな」 僕はわりと動物が好きだ。 前世でも暇な時に動物の動画なんかも見ていた。 黒馬の毛並みが素晴らしく、いつの間にか撫でまわしていた。 「ブルルル」 黒馬も気持ちよさそうな声で鳴く。 「そういえば、そろそろ10ヶ月か……カイザーとキャロルが懐かしいな」 イブが解析に入ってからもう10ヶ月も経つ。 その間はカイザーもキャロルもザ・ワールドで面倒を見ているはずなので僕は動物との触れ合いが足りていなかった。 「そういえば、ロベルトとかも騎馬を持ってたよな?」 遠距離の移動は魔導車がメインなのだが、近場だったり草原などの魔導車が通るのに適していない場所は騎馬で移動する事が多い。 貴族の一部は乗馬などを嗜んでいるので、アカデミーにも厩舎が存在している。 カイザーやキャロルみたいな希少モンスターは大騒ぎになるので外で飼えないが、こいつなら飼ってもいいのではないだろうか? 「お前、僕と一緒に来るつもりは無いか?」 僕が聞くと黒馬は「ブルルルル」と返事をした。 そして……。 「乗せてくれるのか?」 頭を地面に下げ乗るように促した。 「馬具がないからバランスは悪いけど、思ってるより力があるな……」 僕はそれ程重いわけではないが、剣を身に着けている。 だが黒馬はしっかりと立ち上がってみせた。 「丁度いいからこのまま見回りに戻るとするか」 僕の言う事が解るのか示した方向へと進む。 僕は飛行でバランスをとりつつ黒馬に乗ったまま移動をするのだった。 誰一人死者を出すことが無かったのは、当人たちの実力もさることながら、見回りをした人間が危険なモンスターを事前に間引いたお陰だ。 「あとはエリクが戻ってくるだけなんだが……」 ロベルトが全員の点呼を終えてトリスタン先生に報告をしていると。 戻ってきた……」 遠目に映ったのか、ルナが平原の先を指差した。 「ん、あいつ何かに乗ってねえか?」 タックもその方向を見ると目を凝らして見せた。 「二人とも良く見えますね、私には見えませんよ」 ルナは魔力の形で判断し、タックは魔族なので身体能力が人間より高いから見る事ができた。 「どれどれ……」 メリダが遠くを見る【スコープ】で確認をすると頬を引きつらせる。 「どうかしましたか? メリダ先生」 引率のトリスタンがメリダに質問をするのだが、信じられない表情を浮かべて口をパクパクさせている。 「エリク様がまた何かされたんですか?」 アンジェリカの言葉にその場の全員に緊張が走る。 「お、おいっ! あれって……まさか……」 タックの表情が変わった。 どうやらメリダが驚いている原因が解ったらしい。 「ただいま戻りました。 近隣のモンスターの打ち漏らしも片付けて来たし、戻り遅れた学生もいないですよね?」 エリクはそれから降りるとトリスタンに確認をする。 「ああ、エリク。 それよりお前それ……」 皆を代表してトリスタンがエリクに聞く。 「こいつですか? レッサードラゴンに襲われていたところを助けたら懐かれてしまって。 折角だから飼おうかなと思って連れてきたんですよ」 周りの人間は「まじかよこいつ」みたいなこわばった顔でエリクを見た。 「そ、そのエリク君……その馬なんだけどね」 メリダも実物を見た事は無く、外れている可能性も考えていた。 だが、この場にはそれと遭遇したことがある人物が二人もいた。 トリスタンとタックだ。 「よーしよし、疲れただろ? 戻ったらレッサードラゴンの肉をやるからな」 楽しそうに黒馬とじゃれ合うエリク。 そんな光景を見せつけられながらタックが前にでると。 「エリク良く聞け!」 「ん。 どうしたのさタック?」 次の瞬間タックは言った。 「そいつはAランクモンスターのナイトメアだぞ。 魔国でもテイムできた人間がほとんどいない希少種だ」 「へっ?」 「「「「「「……………………」」」」」」 当人にとっても予想外だったのか、エリクを含む全員が黙り込む中……。 「流石エリク。 私達の斜め上を平然とやってのける……」 ルナの突っ込みだけが草原に広がるのだった。

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